若者憲法集会 全国の仲間とがんばりたい 政治への関心 友だちにも

5月15日、都内で行われた若者憲法集会には全国の高校生も参加し、「同じ思いの若い人がたくさんいて元気になった」「周りの人に政治に関心を持ってもらえるようにできることからやっていきたい」と励まされていました。高校生分科会と、全体会、デモに参加した高校生に取材しました。(文中は一部仮名、鈴木通子記者)

高校生分科会では三浦さんの話を聞き、それぞれの思いと意見を交流した

高校生分科会では三浦さんの話を聞き、それぞれの思いと意見を交流した

「政治=生活」
午前中に開催された高校生分科会「高校生がつくる民主主義の社会」には約20人の高校生が集まりました。この分科会は高校生が主体になり、「自分がどういう社会になってほしいかを語り、選挙や政治に関心を持ってもらいたい」という思いで企画しました。
初めに労働問題に詳しい三浦佑哉弁護士が講演しました。三浦さんは今年の参議院選挙から実施される18歳選挙権について「憲法改正時の国民投票の法律が成立し、その中で18歳以上が投票できると定められたことがきっかけになった」と話します。同時に、世界の流れとして18歳選挙権が当たり前になっていることを示しました。
18歳選挙権の実施に伴い、各地での講演が増えたという三浦さんは、そこに参加する学生に話を聞くと「『選挙に行こう』『自分の意見を政治に反映させるぞ』という雰囲気はなかなか感じられない」と話します。「大人がつくった社会の中で一概に学生を責めることはできない」と前置きをした上で、「政治は難しいという印象かもしれないが、『政治=生活』。自分の生活に関心がない人はいないと思います」と三浦さん。「ぜひ多くの人に政治に関心を持ってほしい」と話しました。
「政治と生活がつながっているという話にほんとにそうだなと共感した」と話すのは広島のまちさん(3年)。「一番気になるのは戦争法と学費・奨学金のこと」と言います。「戦争になったら自分の好きなことをしている生活っていうのがなくなるかもしれないし、高学費で夢をあきらめなきゃいけない人がいっぱいいると思う。政治は自分やみんなの生活につながっているからもっとみんなに気付いてほしい」

選挙権うれしい
三浦さんは日本の選挙権の歴史についても触れ、「選挙権は決して自然に与えられたものではない」と話します。選挙権は1946年に初めて20歳以上の男女に認められました。それまでは税金を収める25歳以上の男性など、お金がなければ投票できず、女性は一切投票できませんでした。「『それはおかしい』という声があったから選挙権が与えられるようになった。やっと勝ち取った権利」と三浦さん。「もらいたくてももらえなかった選挙権だったんだということを皆さんも認識してもらえたらと思います」と話しました。
大阪の江口優奈さん(3年)は「『投票したい』『政治を変えたい』と昔の人ががんばったからいま18歳に引き下げられた」と話します。「自分の投票で今の政治を変えたい。選挙に行きたいと思っていたから18歳選挙権の実施が本当にうれしい」

関心持つきっかけそれぞれ違う
分科会では、参加者の「理想の社会」について発表、交流しました。東京の矢島康介さん(2年)の望む社会は、「戦争のない平和な世の中になること」だといいます。「日本は戦争しないと憲法に書かれているため、70年間直接戦争に参加してこなかった。『戦争したくない』という思いは世界中の願いだと思う」と康介さん。「日本のような平和憲法が世界中につくられてほしい。71年間受け継いだ平和を守りながらみんなと一緒に広げていきたい」と思いを語りました。

一人ひとりが「自分が望む社会」をテーマに発表

一人ひとりが「自分が望む社会」をテーマに発表

その後グループに分かれて行った交流では、友だちにどう政治に関心を持ってもらうかをテーマに議論にしました。「政治の話をしたいけど、流されてしまう」という悩みが出され、「政治は難しい、つまらないというふうに思われてしまっているからじゃないかな」「理解してくれる先生に話して、先生からみんなに話してもらえるようにしてみたらどうかな」などと意見を出し合いました。
交流する中で優奈さんは「政治に興味を持つきっかけは人それぞれだと思った」と話します。優奈さんも友だちに政治について関心を持ってほしいと思っていた一人でした。グループ交流でそれぞれの望む社会を発表し合う中で、「学費を無償にしてほしいし、給付制奨学金がいい」「社会福祉をもっと良くしてほしい」というさまざまな思いを聞き、「みんな関心が違うし、特化した分野への思いがあると気付いた」と優奈さん。グループの人の話を聞きながら、「クラスの友だちのことを思い出した」と言います。韓流ファンのその友だちは、ある日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチ(差別扇動)の動画を見たことをきっかけに「同じ人間なのにヘイトスピーチする感覚が理解できない」などとSNS上に投稿するようになったといいます。優奈さんは「本人が政治に関わる話をしている気がなくても思い入れがあることがきっかけで、政治のことに関わる話をするようになるかもしれない」と話します。「政治に関心を持てるいろんなきっかけをつくっていける人になれたらいいなと思う」

~政治は生活と切り離せない 三浦佑哉さん~
戦争法は、日本が米国の戦争に世界中どこでも参加できるという法律です。今まで日本は戦地に行っても非戦闘地域で「後方支援」だけを行っていました。これから戦争法で、米国が始めた戦争に参加し武力行使ができ、前線での支援が可能になります。米国の敵は日本の敵にもなります。私たちはテロの危険におびえながら生活することにもなるかもしれません。
貧困と格差の問題では、今6人に1人が貧困状態です。これは政治の問題です。貧困と格差が広がっている一番の原因は、企業が人を安く使える派遣や契約社員などの非正規雇用に置き換えていったからです。昨年、労働者派遣法が改悪され、これからさらに置き換えられていくと思います。
生活の苦しさは政治によって生み出されたもので、政治に無関心でいられないのではないでしょうか。「政治=生活」ということをぜひ深めてもらえたらと思います。