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第32回大会期


一人ひとりの成長を大切にする教育と平和な日本のために

教育基本法の改悪をやめさせよう


2006年5月26日 日本民主青年同盟中央常任委員会

政府は、“時代の要請にこたえる”として、教育基本法の改悪案を国会に提出しました。この法案は、政府が特定の内容の価値観を「教育の目標」として書き込み、その達成のために政府の統制・支配を無制限に拡大して、学校と子どもたちに強制しようというものです。そして、「人格の完成」、一人ひとりの“人間的成長”をめざす教育から、「国策に従う人間」をつくる教育に変えようとしているのです。

「子どもが幸せを追求する力をはぐくむのが教育。それを支えるのが教育基本法」と、ある若い先生は話しています。教育の荒廃の原因は、教育基本法の理念をふみにじって、子どもたちの“人間的な成長”をないがしろにし、「競争と管理」を押しつけてきた自民党政治にあります。教育基本法の改悪は、子どもたちの成長に深刻な悪影響をおよぼすとともに、日本の平和、人権、民主主義にとって重大な危機をもたらすものです。


「国を愛する態度」などを法律で強制することは許されません

改定案の第一の問題は、「国を愛する態度」などを「教育の目標」にかかげ、その「達成」を先生や子どもたちに義務づけようとしていることです。

現在の教育基本法は、教育の目標を事細かに定めることをしていません。それは、戦前・戦中、「教育勅語」によって十二の「徳目」(=「教育目標」)を定めて子どもたちにたたきこみ、軍国主義・侵略戦争をささえる人間をつくってきた反省に立っているからです。

「何を愛するか」「何を大切だと考えるか」など、人間の内面は、自由で自主的な教育の営みを通じてつちかわれるべきものです。教育の目標と内容を法律で規定し政府が命じることは、子どもたちから心の自由を奪い、人間としての誇りを傷つけ、憲法十九条が保障した思想・良心・内心の自由を侵害するものです。

東京都では、卒業式で生徒が『君が代』を歌わないと、担任の先生を処分することまでおこなわれ、批判が広がっています。また、日本共産党の志位委員長の国会質問で、小泉首相さえも“通知表で「国を愛する心情」を評価することは難しい”とこたえざるを得ず、法案の破たんが明らかになっています。


政府が教育内容に介入し、「弱肉強食の社会」づくりを押しつけることは許されません

第二の問題は、政府が教育内容に無制限に介入し、政府が決めた計画を学校や子どもたちに押しつけようとしていることです。

現行の教育基本法は、政府による教育内容への「不当な支配」をきびしく禁止し、「国民全体に対し直接に責任を負」うとしています。ところが、政府案は「国民全体に対し直接に責任を負って」という部分を削除し、国が決めたとおりの教育を押しつけ、計画どおり実行せよという内容に置き換えています。 

政府がまっさきにやろうとあげているのが、「全国一斉学力テスト」の導入です。すでに、独自に一斉学力テストを実施した地域では、学校と子どもたちが序列をつけられ、「勝ち組・負け組」にふりわけられています。

「学校ではできる人とできない人が分けられ、“自分はできない”とコンプレックスを感じる」「“勝ち組・負け組”と勉強においたてられ、悩みを相談できる友だちもいないし、自分の居場所もない」――子どもたちを傷つけている競争教育をもっとひどくすることになります。

教育基本法を生かした教育の実現を

教育基本法の全面改定は、憲法を変える動きと一体です。憲法を変えて「海外で戦争をする国」をつくり、その国に忠誠を誓わせるために、教育を利用しようというものです。また、政府と財界は、教育基本法の改悪によって、教育の世界をいっそう競争本位にして、早い時期から子どもたちを「勝ち組・負け組」に分け、「弱肉強食の社会」に順応する人間をつくることを狙っているのです。

自民党政治がすすめようとしている改悪案は、国民・青年の願いとかけはなれているばかりでなく、世界の流れにも逆行するものです。アジアの人々をはじめ、世界は、日本が憲法九条を投げ捨て、「戦争する国」になることを危惧しています。日本の「競争と管理」の教育の異常さにたいしても、国連・子どもの権利委員会から、“過度に競争的な教育が子どもの発達を妨げている”とくりかえし勧告されています。

世界では、競争や管理ではなく、一人ひとりの成長を大切にする教育が大きな流れとなっています。学力「世界一」といわれるフィンランドでは、日本の教育基本法をお手本にして、「わかるまで教える教育」や少人数学級をおこなっています。学費も大学まで無償です。テストで競争させるというやり方をやめ、教師と子どもたち、父母、地域社会が一体で教育をつくっていこうという努力がすすめられ、学力向上に力を発揮しています。

いまこそ、教育基本法をいかした教育の実現がもとめられているのです。


徹底した国会審議と国民的な討論、世論と運動の力で、教育基本法改悪をやめさせよう

「憲法を守りひろげる平和な日本をつくるのか、アメリカといっしょに戦争をする国をつくるのか」「一人ひとりが大切にされる教育と社会をつくるのか、小泉政治による弱肉強食の格差社会を教育に押しつけるのか」――教育基本法改悪は、日本社会の進路にかかわる大問題です。

班や県・地区委員会でこのアピールを学び交流し、以下の行動にとりくみましょう。

一、職場、地域、学園で、まわりの青年といっしょに学び、考えるとりくみを重視します。自分たちのうけてきた教育や憲法の大切さと結んで、教育基本法の中身や改悪案のねらいを学びましょう。

一、ビラやひとことカード、署名をつかって、宣伝・対話にとりくみます。友だちや家族によびかける、クラスや職場で訴えるなど、身近なところから、ともに考えるとりくみすすめます。

一、六月七日(水)に国会要請行動(夜は日比谷公園で国民集会)をおこないます。この行動をはじめ、班や県から国会要請に代表を派遣するなど、全国から署名やひとことカードをもちよりましょう。


以上


32_060526_kyoukihou_appeal.doc

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