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署名と資料

「まともに生活できる仕事を」「人間らしく働きたい」全国青年雇用大集会実行委員会は4月27日、厚生労働省内で記者会見をおこない、先ごろおこなったネットカフェぐらしの実態調査について発表しました。その内容を紹介します。



ネットカフェぐらしの実態調査――特徴とまとめ

2007年4月27日 全国青年雇用大集会実行委員会

行動の概要

全国青年雇用大集会実行委員会では、「まともに生活できる仕事を」「人間らしく働きたい」をスローガンに開催する集会にむけて、全国で青年の働く実態を告発し、社会的にあきらかにしていくために、最低賃金生活、残業代未払い一掃宣伝とあわせて、ネットカフェぐらしの実態調査をおこなうことを全国によびかけました。

調査は、首都圏を中心に、宮城、愛知、奈良、大阪、兵庫、福岡の19地域、34店舗でおこなわれ、76%にあたる26店舗で、長期滞在の利用者がいるという回答を得ました。また、首都圏だけでなく、宮城、愛知、奈良、大阪、福岡など、全国に長期滞在者がひろがっていることも、今回の調査であきらかになりました。

駅周辺の店舗を調査した地域では、蒲田駅で5店中4店、溝の口駅で3店すべて、川崎駅の4店中3店、亀有駅の2店すべてなど、回答を得た店舗の大半で長期滞在の利用者がいることがわかりました。

利用者の方への聞き取り数は84、アンケート回答数は37です。アンケートを避けるように入店される方も多く、直接の聞き取りには困難がありました。「親にはアパートに住んでいるといっている」と話す方がいるなど、自分の努力や能力が不足しているから、困難な生活を人に話したくない、知られたくないという思いがあることを感じています。

調査結果から見えてきたもの

 今回の調査から、青年のなかに「貧困」がひろがっていることとともに、青年の非人間的な働かされ方がひろがっていることがあきらかになりました。

(1)青年の貧困が予想以上にひろがっている

お金がなくてアパートなどを借りられない。状況からぬけだせない青年がどこにでもいます。

利用される方への聞き取りでは、「会社をクビになり、ネットカフェぐらしをはじめた友人がいる」(千葉)、「仕事をやめて2年近くネットカフェに住んでいる」(蒲田)などの実態が出されました。【ケース1】

求人の多くが非正規雇用となり、安定した収入が得にくい状況のもとで、失業などをきっかけに人間らしい生活をうばわれる可能性が、多くの青年にとって現実の問題となっています。

また、「自己責任論」がひろがるなかで、行政や政治によるサポートが受けられないことが、青年がこうした生活からぬけだすことを困難にしています。

(2)非人間的な働かされ方が見えてきた

一方で、スーツ姿の労働者が多数宿泊しているという調査もありました。「夜はいつも満席。スーツをした人が半分。仕事している人や、毎日来ている人もいる」(大阪)、「きょうの昼に緊急に出張をいいわたされ、宿泊にネットカフェを使っている」(愛知)など、仕事が忙しくて、家に帰れない青年がネットカフェを利用していることがわかりました。【ケース2】

「サービス残業」などの違法の横行、人員削減、成果主義によるしめつけなど、青年をモノのようにあつかう企業や職場の現実が、ネットカフェを通して見えてきました。

(3)社会のなかに青年の居場所がない

 加えて、フリーターなど不安定で低賃金の働き方をしている青年や、仕事がない青年にとって、社会や家庭のなかに居場所がなく、ネットカフェにみずからの居場所をもとめていることもわかりました。

「月収8万円。家に帰ると親に『何しとったんや』といわれるので、ネットカフェによく泊まる」(奈良)「月収3万円。父親がイライラしていることが多く、家に居づらい。将来、いまの家に住みつづけられるか不安」(埼玉)などの声が多く聞かれました。【ケース3】

青年の貧困と仕事の問題解決のために

 仕事と貧困の問題は、個人の努力だけで解決できる問題ではありません。政治・行政などが、本来はたすべき役割をしっかりとはたすべきだと思います。

厚生労働省は、ネットカフェ調査をおこなうとしています。それ自体は重要なことだと思いますが、いまもとめられているのは、青年の貧困と仕事の問題を解決する具体的な政策であり、青年へのサポートです。

1.青年の貧困を解決していくために、正規雇用をふやすこと、世界でも最低クラスの最低賃金を時給1千円以上に引き上げること、青年向けの家賃補助などを、行政にもとめていきたいと思います。

2.青年をモノのようにあつかう非人間的な働かせ方をかえるためには、正社員を大幅にへらし非正規労働におきかえ、世界でも異常な長時間労働やサービス残業を野放しにしてきた、企業と政府の態度をかえることが欠かせないと思います。

3.青年の居場所については、解決は簡単ではないと思いますが、すくなくとも、無償の就業支援など仕事をもとめる青年へのサポート、青年のなかでの仲間や人間的連帯をつくるとりくみへのサポートを、積極的におこなう必要があると思います。

 5月20日の集会を大きく成功させ、青年の貧困と非人間的な働かせ方の問題を解決するため奮闘する決意です。

【ケース1】

ある男性は、以前勤めていた会社の後輩がネットカフェぐらしをしていると話してくれた。後輩は20代後半で、会社をクビになり、家賃が払えなくなりアパートを追いだされた。いまは派遣でガードマンや工事現場などで働いている。最初は友だちの家を点々としていたが、居づらくなって漫画喫茶に寝泊りするようになった。ギャンブルなどをしているわけでもなく、「なんとかお金をためたい」とがんばっているが、一向にお金がたまらないそうだ。(千葉・津田沼駅前、30代男性)

【ケース2】

渋谷のネットカフェ前で対話をした青年。飲食店で2年間、正社員として働いており、仕事は朝8時から夜11時までで、帰ると寝る時間がなくなるので週に6日は職場近くのネットカフェに泊り、日曜日だけ家に帰る生活をしている。(東京・渋谷、20代男性)

【ケース3】

「ネットカフェには、週3日ぐらい泊まる。ゲームをしている」という青年。くわしく聞くと、父子家庭で生活保護を受けており、本人は中学卒業後、しばらく仕事もしていなかったが、1年ぐらい前から、建築現場で解体作業の手伝いなどをするようになった。その仕事も、週1〜2回で、月3万円にしかならない。「家には、ゲームもなく、お父さんもイライラしていることが多くて居づらい」とネットカフェに来ていることがわかった。「将来、このまま、いまの家に住みつづけられるのか不安」と話していた。(埼玉・蕨駅前、24歳男性)


ネットカフェ調査の特徴とまとめ
ネットカフェ調査結果

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