試し読み-2015全国高校生平和集会in沖縄(1月25日付)

戦争・基地・憲法 全国の仲間と考えた 2015全国高校生平和集会in沖縄

昨年12月26~28日、沖縄県内で全国高校生平和集会in沖縄が同実行委員会の主催で行われました。全国から約40人の中高生が参加し、沖縄戦や米軍基地問題について学び交流し、平和について考えました。(文中は一部仮名、増田哲明記者)

▲辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で「5月3日の憲法記念日に行った『憲法ミュージカル』に参加して、辺野古の問題を自分の問題と考えるようになった」と発言する広島の高校生2年

 

戦場の実態に触れた

▲「轟の壕」で説明を聞き、当時に思いをはせる高校生ら

集会の1日目は、沖縄南部にある「轟の壕」とひめゆり平和祈念資料館を訪れ、夜には沖縄地上戦を経験した大嶺初子さんの証言を聞くなどして、沖縄戦の実態について学びました。
「轟の壕」は南部最大の避難壕といわれる自然洞窟です。急な階段を、懐中電灯を片手に注意深く降りていきます。米軍によって爆破され狭くなった下層部の出入口をくぐり、真っ暗な壕の中でガイドの古謝章代さんから当時の話を聞きました。外からの明かりは壕の中に全く入らず、懐中電灯を消すと真っ暗になります。広島の吉井直美さん(2年)は「当時あそこは戦場で、戦車の音とか聞こえたのではと思う。自分にとって当たり前じゃない状況が戦場なんだと思った」と話します。
夜には、大嶺さんの証言を聞きました。戦闘が始まるまでは「兵隊さんが守ってくれる」と不安はなかったといいますが、やがて米軍が上陸すると「鉄の暴風」と呼ばれる激しい攻撃の中を家族と逃げ惑いました。埼玉の北島亜紀さん(3年)は証言を聞き「戦争では、尊い命が一瞬で亡くなる。命の重さが軽くなって、悲しいと思った」と話します。

 

基地は全国の問題

▲沖縄国際大学の校舎の屋上から見た普天間基地。オスプレイや軍用車両などが立ち並ぶ

2日目は、米軍新基地の建設が狙われる名護市辺野古や市街地の中心に位置する宜野湾市の普天間基地を訪れ、米軍基地問題について学びました。
辺野古ではガイドの説明を受け、新基地建設の状況や辺野古が面する大浦湾は急に水深が深くなっているため、世界的に貴重なサンゴが生息していると同時に米軍によって港の建設が狙われていることなどを学びました。東京の高岡黎さん(2年)は「米軍の車が見えたり、『立ち入り禁止』の看板が英語で書かれていて、日本じゃない感じがした」と言います。ゲート前では、抗議の垂れ幕をフェンスにくくり付ける人を機動隊が拡声器で恫喝する場面もありました。岐阜の浮田悠さん(2年)は「抗議している人は住んでいる所を壊されたくなくてやっているのに、人権が守られていないと思った」と言います。
米海兵隊基地のキャンプ・シュワブゲート前では、急きょ駆け付けた稲嶺進名護市長が、選挙で示された「新基地反対」の民意に反して基地建設が強行されている現状や、「オール沖縄」の世論がつくられた経過について説明し、「辺野古の新基地は100年以上使える物。被害を被るのは次の世代。決めるのは私たちで、いま生きている私たちが責任を負う」とうったえました。
集会の実行副委員長を務めた沖縄の宮城邦迅さん(2年)は、過去に家族旅行で辺野古を訪れたことがあります。「辺野古の海がきれいなのを知っているし、住民が癒やされる気持ちも分かる。将来、子どもたちに『昔はきれいな海だった』と言うのはつらい。子どもたちはどこで遊ぶのかと思うから、移設は反対」と話します。
沖縄国際大学では同大学教授・前泊博盛さんの案内を受けながら、04年8月に起きた米軍ヘリ墜落事件の現場や校舎の屋上から隣接する普天間基地を見学しました。「住宅地の中に墜落の傷跡が残っていて、怖いと思った。いつ墜落するか分からないし、基地は要らない」と黎さん。前泊さんの講話で沖縄県外の米軍基地でも騒音被害や事故などの危険があると学び、「ますます人ごとじゃないと思った。住んでいる東京の横田基地のことをもっと知らないといけない」。

 

~二度と戦争したくない~ 元中学校教師 大嶺初子さん
高校生サブ31945年当時、国民学校5年生でした。戦争があんなに恐ろしいものだとは思いませんでした。45年4月1日、米軍が沖縄に上陸しました。日本の兵隊は11万人来ましたが、米国からは4倍の54万人が来たと聞いて、初めて危機感を持ちました。
家族で「鉄の暴風」といわれる攻撃の中を逃げました。海からも空からも爆撃があって、目の前が焼け野原で見えないくらい。地面はぐらついていました。死人とけが人でいっぱいで、通る道は爆弾の跡で穴だらけでした。私たちは3回ほど死ぬかと思う「鉄の暴風」に遭いましたが、よく助かったと思います。
二度とあのような戦争をさせたくありません。安倍首相はよその国と戦争をしようという姿勢で、これから日本はどこに行こうとしているのかと思います。今のような平和を維持してほしいです。

(7面につづく)