試し読み-戦争法廃止 「国民連合政府」実現へ(2月8日付)

戦争法廃止 「国民連合政府」実現へ 関心広げ高める運動つくりたい

平和と民主主義を求める青年の運動は止まらない―。昨年、史上空前の国民運動が始まる中、今年7月の参議院選挙から18歳選挙権が実施されます。安倍政権による抑圧から個人の尊厳を守り、どう一人ひとりが主権者として政治に参加する権利を励ましていけるか。青年と考えました。

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D3が宇都宮で開催したデモ。群馬から参加した男性(26)は「全国で声を上げていくことが大事だと思う」と話す(1月24日)

政治を私たちのものに
「憲法守れ」「未来をつかもう」「選挙に行こう」。透き通るような青空の下、重低音に合わせたコールが路上に響きました。1月24日、栃木の10~30代の青年でつくる「Defenders of Due Democracy」(D3=正当な民主主義の支持者)が宇都宮で行ったデモには約200人(主催者発表)が参加し、自衛隊が米軍と共に海外で戦争し「殺し、殺される」ことになる戦争法の廃止と、選挙の投票を呼びかけました。
デモのスピーチにはD3の創設メンバーの七田千紗さん(16)が立ちました。多くの人の「叫び」「涙」「意志」を踏みにじった戦争法の強行「成立」をふり返った七田さんは、「もう強行採決なんてなかったような空気」が自分の周りにあることに歯がゆさを覚える中、うったえました。「一人の友だちが言いました。高校生の私が政治の話をしていいのかと。いいに決まっている。高校生だから発言してはいけないという法律はないし、政治について知らないならこれから勉強すればいい。そこから新しい議論が生まれ、自分の中に新しい考えが生まれるから。政治はこの国に生きる人間のためのものでなくてはいけない。国会を見ましょう。ニュースを見ましょう。未来をつかむために選挙に行きましょう」
「地元にこの活気を広げたい」と日光から参加した男性(26)は、「今までは義務感で投票していたけど、戦争法をなくすために大事な選挙だと友人に伝えたいと思った。威勢のいい言葉で戦争に進むのではなくて、お互いを理解し合う関係が世界の常識になっていく。今度の選挙をそういう社会をつくる一歩にしたい」と話します。沿道でじっとデモを眺めていた女性(高校2年)は「安保法制を知らなかった」と言います。「今までデモを見たことなくてびっくりしたけど、危険な法律があると知れて良かった。もっと調べてみたい」と話しました。

 

 

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政治関心を抑圧する安倍政権
昨年からの戦争法廃止を求める国民運動の高揚の中で、青年はどのように政治を見ているのでしょうか。
「政治を身近に感じない」と話すのは、渋谷の街頭で取材に応じた西堀かなさん(20)。親とはよく年金について話しますが、「年金の責任が政治にあるなんて話したことも考えたこともなかった」と言います。高校でも貧困などの社会問題は学びましたが「政治との関係は教わっていない」と西堀さん。「学校の友だちとは政治の話はタブーという雰囲気があった」とふり返ります。
日本政府は1969年に当時の文部省が通知を出し(「69年通知」)、高校生の政治活動を全面的に禁止してきました。この問題に詳しい、日本共産党文教委員会責任者の藤森毅さんは「69年通知で70年代の高校生運動が抑圧され、政治のことを議論する自由な雰囲気が奪われた。今の若者が『政治を遠い』と感じる一つの要因になっている」と指摘します。
しかし、18歳選挙権の実現によって高校生の一部が有権者となり、政治活動の全面禁止ができなくなりました。そのため安倍政権は昨年10月、「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(「新通知」)を出します。とことがその内容は、休み時間や放課後などの校内での高校生の政治活動は制限あるいは禁止、校外の高校生の政治活動であっても学校の判断により禁止を含めて指導するというものです。国の通知に従う義務は学校にありませんが、従った場合、戦争法廃止の集会に行くことまで届け出て許可を得なければならなず、高校生の運動の盛り上がりへの新たな抑圧となります。
国民は誰でも、日本国憲法19条(思想・良心の自由)で内面の自由を保障され、21条(集会・結社・表現の自由)で内面の自由の発露のための自由を保障されています。国会前で声を上げたり、署名を集めることは16条(請願権)でも保障されています。高校生も国民です。国民全員に保障されている政治活動の自由を禁止・制限することはできません。「新通知」はすぐに撤回すべきです。
「『政治活動の全面禁止』と聞くと、先生が授業で政治の話を避けていた。学校の雰囲気に納得がいく」と西堀さん。「今でも関心が持ちづらいのは日常で話さないからだと思う。そういう習慣は学校の中でもつくられると思うし、政治活動の制限や禁止はやめてほしい」と話します。
これまで「政治は自分と遠い」と感じてきた青年も、主権者として立ち上がる同世代の姿を目の当たりにし、考え行動する意欲を高めています。渋谷で取材に応じた林原恵美さん(高校3年)は、「政治が高校生の意見を聞いてくれないからデモをしていると思うのに、意見も言えなくなるのはおかしい」と語気を強めます。学校で先生から戦争法の危険性を教わり「同年代の人に戦争に参加してほしくないと思った」という林原さん。「授業が政治を考えるきっかけになった。自分の意見が持てて良かった」と話します。(2面につづく)