試し読み-全国一斉高校生デモ(3月7日付)

一緒に声を広げよう 安保法制廃止 全国一斉高校生デモ

2月21日、安保法制(戦争法)の廃止を求める高校生グループ「T-nsSOWL(ティーンズソウル)」が呼びかけた「全国一斉高校生デモ」は仙台、東京、大阪など全国11カ所で行動がとりくまれ、140団体が参加・賛同し、約1万人が参加しました(主催者発表)。国会で野党共闘が進む中、行動を目の当たりにしたり、行動に立ち上がる中高生の思いを聞きました。

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東京の全国一斉高校生デモ

 

日々の積み重ねが民主主義つくる
5千人が参加した東京の原宿・渋谷のデモ―。「選挙に行こうと思った」(高校3年、女性)「戦争を良くないと思って行動できるのはかっこいい」(高校2年、男性)など、街の中高生の注目を集めました。「とりまUNITE」などのプラカードが林立し、「安保法制絶対反対」「野党はUNITE」「Teens  against War law(戦争法に反対する10代)」などのコールが響くと、沿道の人々はスマートフォンでデモの様子を撮影。「私も戦争に反対」と言う、沿道からデモを見ていた女性(中学1年)は「友だちとは戦争について話したことがなくて、そんなこと考えているのは自分くらいと思っていた。同じ気持ちの人がたくさんいてうれしい」と話します。戦争法や政治への関心を高めるきっかけをデモはつくっていました。

宮城3

仙台の全国一斉高校生デモ

「社会にうったえることができた」とデモの手応えを語るのは田所陽太さん(中学2年)。強行採決後の5カ月間、ティーンズソウルのメンバーとして声を上げてきました。「『おかしい』と思ったことをうったえられない国にしたくないから、『おかしい』と言い続けたい」「デモを続けて安保法制が可決された日を忘れないようにしないといけない」と語気を強めます。

大阪

大阪の全国一斉高校生デモ

主権者の輪を広げてデモに踏み出した参加者もいました。中川智慧さん(中学3年)は、友だちの京谷乃愛さん(中学3年)と共に初めてデモに参加し「高校生が中心で、フレンドリーで参加しやすかった」と話します。強行採決など「国民の意見を聞かずに権力のある人たちだけで決めているのが嫌」と安倍政権への不満を募らせていた智慧さんが、乃愛さんをデモに誘いました。「政治に興味はなかった」と言う乃愛さんは最初、智慧さんの誘いに戸惑ったといいます。しかし智慧さんの話を聞き「安倍首相は国民を苦しめるだけなんだ」「デモに行ってみよう」と思いました。乃愛さんは、「(デモは)自分の気持ちを隠さず出せて、政治に興味を持つきっかけになった。誘ってくれて良かった」と話します。智慧さんは「乃愛とは小学校からの友だち。分かってくれると思った」とはにかみます。

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スピーチするあいねさん

一斉デモを呼びかけた東京のあいねさん(高校2年)はスピーチでうったえました。「私たち高校生はデモに行きます。選挙に行きます。政治について考え、学び、日々友だちと話し、その小さな積み重ねがこの国の民主主義をつくり続けていくんだ」

 

戦争体験の思い引き継ぎ立ち上がる
宮城の仙台ではティーンズソウルのメンバーが主催したデモと集会に学生など約200人が参加し、「集団的自衛権は要らない」などとうったえて市内を練り歩きました。メンバーの河北詩織さん(高校1年)は、「秘密保護法も安保法制も憲法違反」と言います。安倍政権の打倒に向け「結節点はやっぱり参議院選挙。若い世代に選挙に行こうとうったえ、行動を続けたい」と話します。友だちに誘われ参加した渡辺由美さん(高校1年)は、デモ中に交流した戦争体験者の「二度と戦争の悪夢をくり返したくない」という思いが心に残りました。曽祖父がアジア太平洋戦争で旧日本軍の特攻隊だったという由美さん。「私たちが直接戦争体験を聞ける最後の世代。聞き取って思いを受け継ぎたい」

愛知1

一斉デモに連帯した愛知の青年グループ「Stop it Abe」による街頭宣伝(21日)

長野では県内の若者でつくる「僕たちが主権者って知らなくて委員会」が松本駅前で戦争法反対の宣伝を行い、高校生4人を含む20人が参加。初めて街頭でスピーチした緑川明さん(高校3年)は直面する戦争法の危険性を話しました。現在、自衛隊は国連平和維持活動(PKO)で内戦が続くアフリカの南スーダンに駐屯しています。戦争法により他国の軍隊などを武器で警護できるようになります。すぐにでも紛争当事者になる恐れがあると不安をうったえた明さんは、「自衛隊が地元の住民を殺すかもしれないし、殺されるかもしれない。70年間守ってきた日本の平和が壊れる」と話しました。
明さんは全国一斉の呼びかけについて「高校生が全国で立ち上がっていると想像すると励まされる」と言います。スピーチ後に沿道の人から賛同の声をもらった明さん。「小さくても確実に戦争法反対の世論を広げたと思えた。緊張したけどスピーチして良かった」