社会も自分も変えられる 踏み出す一歩の勇気もらった 全国高校生集会2016

3月28~30日に開催された全国高校生集会(全高集、民青主催)には全国から77人の同盟員が参加しました。「自分が少しずつ変わってきている」「みんなの言葉に勇気と自信をもらった」など、全国で活動する高校生が集い、学び交流する中で行動する力を育んだ3日間。集会の様子と参加者の感想を紹介します。(高校生は仮名、学年は当時)

1面

意見を交わし交流を深めたしゃべり場や班討論

生き方揺るがす 戦争法のたたかい
1日目、日本共産党文教委員会の藤森毅さんが「戦争法廃止のたたかいが問いかける、私たちの生き方」と題して講演しました。藤森さんは昨年大きく広がった戦争法反対のたたかいが、日本で生きる人々の「生き方の根幹を揺るがしている」として、青年のスピーチやコールを通してたたかいの特徴を話しました。
一つ目は「戦争したくなくて震える」など戦争に対する拒否感です。藤森さんは、日本が過去の無謀な戦争で日本兵の多くに餓死者を出したり、南京大虐殺などアジア諸国に大きな被害をもたらした経験から、国民の中に「戦争を二度とくり返さない」という強い気持ちが生まれ、たたかいを後押ししていると話しました。日本の侵略戦争について「授業ではやらないから広く知れて良かった」と言う東京の春香さん(1年)。藤森さんが戦争責任と向き合ってきたドイツを紹介し、「過去の戦争にこだわり続けないといけない」と強調したことについて、「(日本は)過去から目を背けて逃げ続けていると思う。授業でも事実を教えてほしい」と話します。

1面3

藤森さんに質問を投げかける参加者(1日目)

二つ目に「憲法無視する政府はいらない」というコールを取り上げた藤森さんは、たたかいの中で憲法は政府を縛るものという立憲主義の考え方が広がったと話しました。藤森さんは「高校生の政治活動の自由」は憲法によって保障されており、愛媛県の公立高校で導入された、政治活動を事前に学校に届け出させる校則は憲法違反だと批判しました。「届出制」の校則によって「活動が広げにくくなる」と矛盾を感じていたという愛媛の伊織さん(中学3年)は「憲法違反とはっきり言ってくれて、制度がおかしいと自信がついた」と話します。戦争法に反対する集会で初めてスピーチをし、「自分の意見を言っていいんだと思えて感動した」と言う伊織さん。受験生だった昨年をふり返り、「勉強しないといけないけど活動もしたいと迷っていた」と話します。藤森さんが憲法13条の幸福追求権を示し、政治活動と勉強とのバランスを決めるのは親や教師ではなく、「一人ひとりが決めること」「一人ひとりがどう生きるのかは国が絶対に決めることはできない」と話したことに「自分で決めていいんだと思えて、目からうろこだった」と伊織さん。「政治や校則について、『おかしいな』『こうしたい』と話ができる高校生活にしたい」と期待を語ります。

自分の考え言ってもいいと思えた
藤森さんは日本の教育のゆがみについて話をしました。「空気を読んでいては、空気は変わらない」という学生のスピーチを紹介した藤森さんは、日本ではテストの点数や成績で管理し競わされる教育によって周りの評価を気にするという「空気を読む圧力」や「テストの点が悪い人は劣っているように見える」雰囲気がつくられてきたと話しました。日本の教育とは対照的に、「民主主義は一人ひとりが自信を持って発言できないといけない」という理念から、「子どもの自信を失わせないために」受験をなくし競争を極力抑えてきたデンマークの教育のとりくみを紹介しました。
「自分が受けている教育と全然違う」と話すのは北海道の優さん(1年)。優さんの通う学校では宿題や補習に追われ、「テストの点ですごく脅される」と言います。デンマークの教科書は暗記ではなく「あなたはどう考えるか」が問われるという藤森さんの話を聞いて優さんは、「自分の意見を求められるところが、個人を尊重する教育なんだと思えた」と話します。
北海道の瑞樹さん(3年)は「周りの空気を読んで合わせてばかりだった」と言います。社会や学校への「不満がなかった」という瑞樹さんは、疑問に思うことがあっても「当たり前」「仕方ない」と思っていたといいます。講義を受け、「教育や今の政治がおかしいと分かった。『正解はない』と言われて自分の考えでいいんだと、勇気を振り絞るエネルギーになった」と瑞樹さん。講義後の班討論では疑問や意見を活発に交流しました。「(班討論では)みんなが自分の思っていることを言ってくれるから自分も言っていいんだなと思えた。知らないことも隠さなくていいし、ありのままでいいと思えた」と自身の変化を語ります。
たたかう大切さ感じた
藤森さんは、学費が無償のヨーロッパでは値上げに反対して学生や市民が声を上げ、権利を勝ち取ってきたと紹介し、「たたかわないと権利は守れない」と強調しました。千葉の明日香さん(2年)は以前は周りの視線を気にして「行動することに積極的になれなかった」と言います。しかし、戦争法廃止のたたかいの中で「社会をどうしたいか」と考えて行動する同世代の高校生に出会い「政治に無関係でいることはできなくて、何もしなかったら悪い方に進む」と気持ちが変化しました。「改めて運動すること、政治的であることが大切だと思えた」(2面につづく)

学んだこと伝えたい
2日目は、「18歳選挙権と高校生の政治活動」「バイト・働き方について」「進路・学費」「校則・学校生活」「人間関係・恋愛」「憲法」をテーマにしゃべり場が行われました。
「バイト・働き方」に参加した京都の隼人さん(1年)は、「知らないことが結構あった。話を振ってくれて自分の意見も言えて楽しかった」と話します。しゃべり場では首都圏高校生ユニオンに加入している高校生が、団体交渉をたたかった経験を紹介し、班で使った「ブラックバイトクイズ」にみんなで挑戦しました。友人から上司への不満などアルバイトの愚痴をよく聞くという隼人さんは「仕事なら普通」と聞き流していたと言います。しゃべり場に参加して、上司の高圧的な態度はパワーハラスメントになると知り驚いた隼人さん。「ブラックバイト」をなくすために何ができるかを交流する中で、「情報を伝えることをやってみたい」と話します。「当たり前だと思っていたことがブラックなんだと思った。学んだことをラインや学校で話せたらいいな」

シチュエーション劇などで盛り上がった大交流会(2日目)

シチュエーション劇などで盛り上がった大交流会(2日目)

「政治について高校生はどんなことを思っているのか聞いてみたかった」という東京の真澄さん(1年)は、「18歳選挙権と高校生の政治活動」に参加しました。「民青新聞」の「政治に意見したい 選挙権ほしい 高校生も政治の主人公に 18歳選挙権」(2015年5月31日付)を読み合わせ、学校での政治活動について交流しました。先生から「学校では政治活動はやってはいけない」と「戦争法の廃止を求める2000万人署名」を止められた経験を話した真澄さんは、「自由に政治活動をやらせてほしい」と憤ります。しゃべり場では戦争法廃止、安倍政権打倒の一致点で野党共闘の動きが高まっていることも話題になりました。真澄さんは「安倍首相は消費税増税や原発再稼働など国民の過半数が反対することをやろうとしている。野党共闘でみんなで安倍政権を倒していけたらいいなと思う」と話します。(つづく)