“私の1票”で展望開いた 主権者の声さらに大きく

「18歳の初めての投票が改憲反対の野党の議席に結び付いてうれしい」「自分の1票が政治を変える力になった」―。戦争法の廃止と安倍政権の打倒を一致点に、史上初めて「自民・公明とその補完勢力」対「4野党プラス市民・国民」という構図でたたかわれた参議院選挙(7月10日投開票)。民青同盟は野党の勝利、日本共産党の躍進に奮闘し、青年の政治を変えたい思いを励ましました。(文中は一部仮名)

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当選確実の報道を聞き、歓声を上げる山添さん(最前列左から3番目)とYAMA部のメンバーら(7月10日、都内)

「改憲は支持してない」
参院選は、戦争法の廃止、安倍政権による改憲を許すのかが問われました。ところが安倍首相は延べ40都道府県での100回以上の街頭演説で、一度も憲法問題に触れませんでした。連立与党の公明党は「改憲は争点ではない」「『改憲勢力』と呼ぶのはレッテル貼り」と争点隠しに終始。
選挙最終盤の9日夜、日本共産党の山添拓東京選挙区候補は新宿駅前で市民勝手連YAMA部メンバーと共に街頭宣伝にとりくみました。その様子をじっと見つめていた学生の木村みどりさんは「安倍首相は国民の反対を押し切って戦争法を成立させた。もし選挙で与党が過半数を獲得したら、民主主義が壊されそうで怖い。その危機感で野党を応援している。野党には働き方の改善や強引な政治の進め方への歯止めとなって、一人ひとりが大切にされる社会をつくってほしい」と話します。憲法問題について一切語らない安倍首相の姿勢について「安倍さんのやり方はひきょう」と木村さん。「政策を国民に考えてもらうのが選挙のはず。争点を隠して選挙で勝っても、国民は自民党を支持したわけじゃない」
木村さんと一緒に街宣を見ていた同級生の高岡夏加さんは「市民の声から政策が生まれたり、市民が政治に関われる社会にしていかないと、今以上に切り捨てられる人が生まれてしまう」と街頭宣伝に参加するようになったといいます。野党共闘に期待する二人は、大学内で「自民党の改憲草案は国民から権利を奪うもの。野党に投票してほしい」と知り合いに呼びかけました。
高岡さんは「野党候補の宣伝に参加する中で政治のことを考えたり、自分の言葉で周りに話していきたいという思いが強くなった。政治を自分のこととして考える青年が増えれば、私のように行動する人が増えるはず」と話します。
投票日の出口調査で「安倍晋三首相の下での憲法改正」について尋ねた共同通信の調査では、反対が50%と賛成の39・8%を大きく上回りました。国民の多数は「改憲反対」です。

民青と日本共産党の共催で行った青年との街宣。初めて投票するという青年は「給付制奨学金をつくってほしい」とスピーチ(7月2日、新宿)

民青と日本共産党の共催で行った青年との街宣。初めて投票するという青年は「給付制奨学金をつくってほしい」とスピーチ(7月2日、新宿)

生活守る議席獲得 「市民は忘れない」
日本共産党は改選前の3議席から6議席に倍増させ、非改選と合わせて14議席となり、青年の命と暮らしを守り、平和な社会をつくる力を大きくしました。参院の憲法審査会で日本共産党は2議席から3議席に増え、改憲を阻止する力を伸ばしました。

投票日の10日夕方から、山添さんの事務所には青年ら支援者が続々と集まってきました。午後8時に投票が締め切られるとともに山添さんの「当選確実」がテレビのテロップで流れると、会場にいた支援者たちが大きな歓声を上げました。
民青の吉岡修二さん(大学3年)の班では選挙中、学内で、実現してほしいことについてシールアンケートを使って対話しました。「ブラック企業をなくしてほしい」「学費値下げは切実」という声が多く寄せられました。吉岡さんは出された声に対して「安倍政権はこの声を無視している。日本共産党を伸ばせば、青年の声を国会に届けられる」と応え支持を広げました。吉岡さんは「初めは最低賃金1500円への引き上げは本当に実現できるのかと思ったけど、その政策を掲げた山添さんが当選した。国会で『最賃引き上げを』と追及し、実現してほしい」と期待を込めます。
「自分は無党派」と話すのは会社員の石垣潤樹さん(33)。山添さんの大学時代の知り合いで、昨年の戦争法をめぐるたたかいで、国会前デモの「見守り弁護団」として活動していた山添さんの姿に「自分も何かしたい」と思うようになったといいます。
安倍政権に厳しく対決し、野党共闘を呼びかけた日本共産党から山添さんが立候補することを知った石垣さんは仕事帰りに連日、街頭宣伝に参加しました。宣伝で日焼けした石垣さんの顔を見た同僚から「最近何かしてるの?」と聞かれたり、会社の最寄り駅での宣伝で会社の同僚と立ち話になったこともあります。石垣さんは「最賃が上がれば働き方の選択肢が広がるし、貧困に脅えなくていい。自分の生活に関わると思ってこんなに行動したのは初めて」と話します。
安倍政権が狙う改憲の動きについて「自民の改憲草案は立憲主義とは違うもの。改憲に一言も触れない姿勢に怒りが湧いた」と話します。「宣伝で対話する中で、政治は市民のためにこそあるべきだと感じた。この経験を市民は忘れないと思う」

(2面につづく)