沖縄基地問題基地のない沖縄を全国の力で

沖縄の米軍普天間基地移設に伴う名護市辺野古への新基地建設や東村高江の米軍北部訓練場のヘリパッド建設をめぐって安倍政権が取る強権的な手段に怒りの声が上がっています。

埼玉から遊びに来ていた高校生2人組は「米兵による事件の報道を見ると怖い」「基地建設を強行するのは良くない。もっと話し合った方がいい」と政府の対応に疑問を呈した(8月9日、渋谷)

埼玉から遊びに来ていた高校生2人組は「米兵による事件の報道を見ると怖い」「基地建設を強行するのは良くない。もっと話し合った方がいい」と政府の対応に疑問を呈した(8月9日、渋谷)

民意を踏みにじる安倍政権
7月10日、名護市辺野古への米軍新基地建設反対を掲げた野党統一候補の伊波洋一氏が現職大臣を10万票以上の大差で破り、沖縄が再び「新基地建設NO」を突きつけた参院選。その翌日に安倍政権は高江のヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行。22日には全国から機動隊500人を動員し、道路の封鎖や反対行動を強制排除し米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事を強行しました。安倍政権の暴挙に「生活道路を封鎖し、工事に反対する住民、県民を排除した建設強行は、米軍占領下の『銃剣とブルドーザー』による軍用地強制接収をも想起させる」(琉球新報、7月23日付)と怒りの声が湧き起っています。また政府は同22日に辺野古への米軍新基地建設をめぐって、翁長雄志沖縄県知事が辺野古沖の埋め立て承認取り消し撤回の指示に従わないのは違法だとして新たな訴訟を起こしました。この間中断されていた辺野古でも工事を再開しようとする動きを見せています。翁長知事はこの一連の動きに対して「国の理不尽なやり方については大変憤りを感じている。『県民に寄り添う』『誠実に対応したい』と言う中での動きが全部、信頼関係を損ねるもので、残念な思いをしている」と述べ政府を批判しています。「新たな基地は造らせない」という県民の願いを踏みにじり過重な基地負担を将来に渡って押し付けようとする安倍政権の異常な姿が浮き彫りになっています。

3面2

「銃剣とブルドーザー」の歴史くり返すな
戦後、沖縄では米国による統治の下で米軍基地拡張のため米兵によってブルドーザーで家が壊され、住民を強制排除させるなど無法な土地の接収が行われてきました。その結果、国土面積わずか0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設の74%が集中しています。渋谷の街頭では「沖縄に基地が多いのは知っている」と言う女性(24)にその数字を知らせると「そんなに多いんですか」と驚きの声を上げました。
米軍北部訓練場のヘリパッド建設は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれ、訓練場7513ヘクタールのうち3987ヘクタールを返還する代わりに新たに6つのヘリパッドを建設するというものです。政府は「北部訓練場の過半返還が実現すれば沖縄の米軍基地の面積約2割が減少する。基地負担軽減にも大きく資する」(22日、菅官房長官)などと言いますが、実際は不要となった北部訓練場の一部を返還する一方で、新たなヘリパッド建設で基地機能を強化・集約するもので沖縄の負担軽減を考えたものではないことは明らかです。住民の反対をよそに2015年2月には先行提供された2カ所でオスプレイの夜間飛行が横行し、地元小中学校の児童が睡眠不足で学校を欠席する事態になっています。沖縄県によると2014年の1年平均の航空機騒音測定結果と2016年6月分を比較すると騒音の平均値は1・3倍。1日当たりの騒音発生回数は14年度4・1回に対し、6月は32・8回と8倍になっており、特に夜間(午後7時から翌日午前7時まで)については14年度が月16・2回であったのが、月383回と約24倍に増加しました。このことからもヘリパッド建設が負担軽減どころか負担増となることは明白です。さらなる基地負担増を押し付けるヘリパッド建設は中止すべきです。

団結の力で基地のない沖縄を
終戦後、米国は「同盟国は、自国のためには利得も求めず、また領土拡張の念も有しない」と連合国が定めた「カイロ宣言」に反し、1951年のサンフランシスコ平和条約で沖縄を日本から取り上げ、将来にわたっての統治権を握りました。72年当時、条約上は不可能とされていた沖縄の日本復帰を実現させたのは何よりも沖縄の人たちの団結の力でした。今、立場の違いを超えて「新基地建設反対」の思いの下に団結する「オール沖縄」の姿は沖縄の日本復帰を勝ちとった県民のたたかいを思い起こさせます。
この間の基地問題をめぐる主要な選挙では2014年1月の名護市長選、11月の知事選、12月の衆院選の4選挙区で新基地建設を拒否する候補が当選し、今年に入ってからも、6月に行われた県議選では翁長知事を支える与党が圧勝。7月の参院選でも勝利し、沖縄選出の国会議員6人全員が「オール沖縄」で占められました。新基地建設を断念させ、「基地のない沖縄」への道を開くため、運動と世論をさらに強めていくことが必要です。
基地問題は沖縄だけの問題ではありません。何度も示された圧倒的な民意を無視する安倍政権の横暴を許すのか、日本の民主主義の根幹が問われています。辺野古や高江には全国から連日、多くの人が駆け付け、共に声を上げています。一方で「何とかしたいが、どこに動かせばいいか難しい問題」(21歳、大学生、女性)「理想は国外移転だが、一度決めた以上は困るのでは」(18歳、大学生、男性)と渋谷の取材では沖縄の現状に心を寄せながら模索する青年の姿が見えました。沖縄で起こっている事実を伝え広げて、「新基地建設反対」のたたかいを「オール沖縄」から日本全体に広げていく時です。