「みんなでやる楽しさ」 「土日も練習…」 部活、何のため?

「バスケのシュートが決まった瞬間が気持ちいい」「試合で声援を聞くと、部活っていいなって思う」―練習を積み重ね自分の成長や人間関係も深まる部活には、授業や行事とは違う魅力があります。一方で、大会での勝敗だけを重視したり、高校生の意見が反映されない部活運営などの問題もあります。感じている部活の魅力やこういう部活にしたいという声から、高校生と部活について考えます。    (文中は仮名)

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「友だちと競技できるのが楽しい」と話すソフトボール部の高校生(10月30日、渋谷)

部活の魅力は?
渋谷での街頭取材で一番多く挙げられた部活をする理由は「その競技・創作が好き」でした。
試合の帰り道というバスケットボール部の男性4人組(2年)は、「もっと練習して、バスケがうまくなりたい」と話します。「限られた時間や少ない部員数で、何をするか自分たちで練習メニューを考えている」「負けたときには、どうしたら良かったのか考える」と、自分たちで考える部活だったからこそ成長した実感を語ります。
中学でソフトテニス部に所属していた未果さん(1年)は、部活の友人関係について「部活の友だちは特別。自分の駄目なところも含めて分かってくれる」と言います。高校では、写真部に入部しました。「写真部では、作品についてみんなで意見を出し合う。部活は一人じゃできないことができるのがいい」と話します。
志乃さん(2年)は、合唱部で指揮者をしていました。「合唱は一人ではできない。みんなの気持ちが一つになったときのハーモニーにうれしくなる」と言います。「合唱がうまいだけでなく、生活面もちゃんとしよう」と部の仲間と声をかけ合ってきました。「部活はやることが決まっている授業と違って、自分の頭で考えて動くから、机の上ではできない勉強だなって思う」
「できることが多くなって成長したなって感じる」「クラスだけじゃない友人関係ができる」など、自分の成長や仲間の存在が、楽しく部活を続ける理由になっています。

負担重く続けられない
%e9%83%a8%e6%b4%bb%e3%81%ae%e5%8a%a0%e5%85%a5%e7%8e%87%ef%bc%92 部活でおかしいと感じている実態も出されました。
志乃さんの合唱部は200人以上の部員がおり、全国コンクールにも出場する「強豪校」です。練習は週7日、日曜は午前9時から午後6時まで行われます。先輩の中には、練習のし過ぎが原因で、声帯を傷め入院し部活をやめた人もいます。志乃さんも、指揮者としてのやりがいや中学から続けてきた合唱部に魅力を感じていましたが、「進路のことを考えたら将来の夢は譲れない」と考え、2年で辞めました。「できれば続けたかった。週4日とかなら両立できたかも」と話します。
渋谷で取材に応えた女子ソフトボール部のグループ(2年)は、平日は毎朝7時から練習で「やめたいとは思わないけど、休みたい」と話します。「うちの部活は恋愛禁止」「今日も公式戦があり、交通費が往復で2千円かかった。ユニフォームをそろえるのにも1万円以上かかる」など実態が出されました。顧問の教員から「ひどいことを言われたときは、傷つくというより心を無にする。メンタル(精神)的に鍛えられたかな」と話します。
学校生活自体の忙しさが、部活の大変さに拍車をかけています。ライフル射撃部の久美さん(3年)は「お互いにアドバイスし合ってできることが増えた。友だち以上の仲間になる」と部活に魅力を感じ、意欲を持って部長になりました。しかし、3年に進級すると課題や補習が多くなり、部活に行けない日々が続きました。「自分から立候補したのに、部をまとめられないまま引退してしまった」とふり返ります。
(7面につづく、つづきは有料読者のみ)