オスプレイ墜落 沖縄だけの問題じゃない

昨年12月13日夜間、沖縄県名護市の沿岸に米海兵隊普天間基地の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落、大破しました。以前から機体の欠陥が指摘され、墜落を含む重大事故が多発する中での出来事です。国内では初となる重大事故について、街頭の青年に受け止めを聞きました。

墜落し大破したオスプレイの機体の一部を見る米兵(14日、沖縄県名護市、「しんぶん赤旗」提供)

墜落し大破したオスプレイの機体の一部を見る米兵(14日、沖縄県名護市、「しんぶん赤旗」提供)

 

民家近くの重大事故
米軍は事故翌日の記者会見で事故の経緯について、夜間の空中給油訓練中にオスプレイ1機のエンジンのプロペラによって切断された空中給油機のホースがプロペラを損傷させ、機体がバランスを崩し普天間基地まで飛ぶことが困難になったと説明しました。墜落現場は沿岸から約80メートルの浅瀬で、民家が並ぶ集落まで数百メートルしか離れていませんでした。墜落現場付近には夜間の漁を行う人もいました。
渋谷の街頭で取材に応えた青年からは「ニュースを見てびっくりした。安全性を疑うし怖い」(会社員、女性、23歳)という受け止めや「機能的に便利だと聞いたことがある。災害時に役立つのでは」(大学4年、男性)などの声が出されました。
オスプレイは「殴り込み」部隊である米海兵隊などが「敵地」の強襲用に使う兵器です。離着陸時はヘリに、水平飛行時はプロペラ機となる輸送機ですが、機体に欠陥があります。例えば、飛行中にエンジンが停止した場合、風の力でローター(回転翼)を空転させて揚力を得て着陸する「オートローテーション機能」がないため、そのまま地上に墜落することを意味します。またエンジンフィルターにも問題があり、離着陸時に砂やほこりを吸い込み墜落する事故が起きています。オスプレイは開発段階の1990年代から墜落など重大事故をくり返してきました(下表)。
米軍は今回の事故を最も深刻な航空機事故に当たる「クラスA」と認定。日本政府や大手マスコミは「不時着」といいますが、墜落であることは明らかです。渋谷の男性(大学1年)はニュースで「アナウンサーが『不時着』と言っていたことに違和感があった。事故を小さく見せようとしているのかと疑った」と話します。

日常生活を脅かす「ひと事じゃない」
オスプレイの爆音被害も深刻です。沖縄県東村の高江地域では、多くの県民らの反対を押し切って、希少動植物が生息する森を破壊しながら6カ所のオスプレイ着陸帯の新設工事が強行されました。すでに完成した2カ所の着陸帯に飛来するオスプレイの訓練は、夜遅くまで爆音をまき散らし、住民は健康被害や睡眠被害を受けています。
戦争法などを強行する安倍政権は米軍と一体で「戦争する国づくり」を進める中で、オスプレイの配備を全国に広げています。今回墜落したMV22はすでに、山口の岩国基地、東京の横田基地、神奈川の厚木基地、静岡の東富士演習場、長崎の佐世保基地などで訓練を強行しています。横田基地では今年、米空軍CV22オスプレイの配備が狙われており、米特殊作戦軍団は「横田エリア」と呼ばれる1都8県(東京、栃木、群馬、埼玉、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡)の米軍専用空域で低空訓練を行うことを明らかにしています。千葉の陸上自衛隊・木更津駐屯地には日米のオスプレイ整備工場が造られ、佐賀空港では19年度に陸上自衛隊のMV22オスプレイの配備が検討されています。重大事故の危険や騒音被害に対し、各地の住民が配備反対の声を上げています。
渋谷の街頭で、「事故は人ごととは思えない」と言う東京在住の女性(24)は神奈川などでの米軍機の墜落事故に触れ、「日常生活が脅かされるのは怖い。(オスプレイは)配備しないでほしい」と語気を強めます。

日米両政府は命を軽視するな

沖縄県民は一貫してオスプレイの配備に反対してきました。2012年9月の「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」に10万人超が参加するなど運動を広げ、14年11月に辺野古新基地建設やオスプレイ配備の反対などを公約に掲げた翁長雄志県知事が誕生。今回の事故を受けて翁長知事は日米両政府にオスプレイの飛行中止と配備撤回を厳しく求めています。
しかし日米両政府は県民の思いを踏みにじっています。在沖縄米軍トップは昨年12月14日、安慶田光男副知事との会談の中で「住民や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべき」と発言。安慶田副知事は「植民地意識丸出しでとんでもない感覚」と強く反発しました。また、事故原因究明のために、日本の捜査機関が米軍に捜査協力を申し入れたことに対し米軍はいまだに回答していません。米軍は事故からわずか6日でオスプレイの全面的な運用再開を強行。日本政府も稲田朋美防衛相が飛行の再開について「理解する」と追認しました。日本の捜査機関がフライトレコーダーなど情報を得られず原因究明の蚊帳の外に置かれている状況の下での発言に、翁長知事は「法治国家ではない」と日本政府の姿勢を批判しました。おおもとには日米地位協定と日米安保条約に基づく安倍政権の「アメリカ言いなり」の姿勢があります。
渋谷の街頭では沖縄県民の抗議について「(日米両政府が)住民の安全を確保しないのはおかしい。命が軽視されたら当然嫌だと思う」(高校2年、女性)など共感の声が出されました。安倍政権打倒を目指すたたかいを前進させ、沖縄と連帯したオスプレイ配備撤回の運動を全国で広げる時です。