社会科見学 本と人をつなげる仕事

漫画『重版出来!』やドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール』など、本に関わる仕事が注目されています。書店に並ぶ書籍や広告はどのように作られるのでしょうか。新日本出版社で働く青年に仕事のやりがいなどを聞きました。

営業部 宣伝・広告 熊崎徹典さん(25)

営業部 宣伝・広告 熊崎徹典さん(25)

 

どうやって本はできるの?

工夫をこらして広告を作る熊﨑さん

工夫をこらして広告を作る熊﨑さん

ファンタジー小説が好きで高校の図書館をよく利用するというほのかさん(2年)は、「高校の図書館は入れてほしい本のリクエストに応えてくれるのがいい。最近は兄から薦められた本をリクエストしました」と話します。好きな本や本の魅力について「『守り人シリーズ』で有名な上橋菜穂子さんが好きで主人公が強くしたたかに生きる姿に憧れる。本を読むことで自分が豊かになると思う」と話します。
出版業界についてほのかさんは「今はいろんな情報が溢れているけど、表面的な言葉も多い。出版社が出す書籍は丁寧に時間をかけて作っているイメージがある。責任を持って作られている気がする。どんな仕事をしているのか興味がある」と言います。

そんな高校生の声を受けて編集局は1月14日、新日本出版社を取材しました。
出迎えてくれたのは入社3年目の営業部宣伝・広告担当の熊崎徹典さん(25)です。「中学生の時から本が好きで本に関わる仕事がしたかった。出版社は人気が高い仕事なので、僕が入るのは難しいと思っていた。しかし、出版社で働きたい思いは心のどこかで常に持ち続けていた」と言う熊崎さん。企業の合同説明会に参加し新日本出版社と出会います。「説明を受けている間、ずっとメモを取っていたら社長に『熱心だね』と声をかけてもらい、『面接受けてみる?』と話が進み入社することができました。出版に携わるのが一番の夢だったので夢がかなって幸せです」

~・~・~・~読者の気持ちに合った広告目指して~・~・~・~

―仕事のやりがいや工夫は?

熊崎さんが作成した広告(「しんぶん赤旗」2016年12月18日付)。「最近の出来事なども入れながら、読者の目に留まるようにしています」と熊崎さん

熊崎さんが作成した広告(「しんぶん赤旗」2016年12月18日付)。「最近の出来事なども入れながら、読者の目に留まるようにしています」と熊崎さん

会社が出版している書籍の広告を作るのが主な仕事です。自分が作った広告が新聞や雑誌に載ることがうれしいです。民青新聞では「知る学ぶ」のページに広告を出していますが、事前に編集局の方に紙面の中身を聞いて、執筆者の著作やテーマに合わせて宣伝する本を選ぶなど工夫しています。記事と広告で紙面を作っているというか、自分では記事を書いていなくても、協力しているなという気持ちになります(笑い)。
新刊だけじゃなく、情勢や流行に合わせて以前出版した本の広告も出すので、そういう本の注文が増えると「自分が作った広告を見て注文したんだ」とうれしくなります。一冊一冊に特徴があるので、それに合わせてレイアウトや写真・イラストのバランスなど工夫したり、締め切りが重なると大変だなと思う時もあります。新聞や雑誌はすごい数の読者が読んでいて、影響力もあるので細心の注意を払っています。
―成長を実感するのはどんな時?
広告を作る時は編集者の方が用意した広告文もあります。しかし、自分が最初の読者でもあるので実際に本を読んでみて「ここの文章がいいな」と思ったところを押し出すなどの工夫ができるようになってきました。本を読むときの意識も変化しました。学生時代は自分の好きな本ばかり読んでいましたが、今は流行を意識したり読む幅を広げています。
―出版の仕事が社会に果たす役割とは?
本を出すことで社会の空気や情勢、世論をつくるもとになっていると思います。例えば数年前に話題になった「愛国本」「ヘイト本」が増えると、本を読まなかったり、政治に興味がない人でも「こういうのがはやっているんだ」と印象に残ります。社会に果たす責任は大きいと思います。新日本出版社では社会をいい方向に変える本を出していて、それをどれだけ伝えていけるかが大事だなと思っています。(6面につづく)