気軽がいい 掛け替えない 友だち関係を考える

気軽にインターネットを楽しめるスマートホンが高校生に浸透する中で、ラインやツイッターなどソーシャルメディアの利用も広がっています。その下で高校生はどのように友だち関係をつくっているのでしょうか。クラスメートや幼なじみなど他の人間関係のつながりも含めて、街頭などで聞きました。 (文中は仮名、日隈広志記者)

▲ソーシャルメディアでつながった人と実際に会うことは「怖いからしない」と話す楓さん(1月29日、渋谷)

▲ソーシャルメディアでつながった人と実際に会うことは「怖いからしない」と話す楓さん(1月29日、渋谷)

 

「趣味アカ」で気軽に交流
ある民間研究所の昨年の調査では高校生の9割超がスマートホンを持ち、ラインやツイッターなどを利用しているといいます(左図)。渋谷の街頭で取材に応えた高校生の多くはソーシャルメディアの利用が友だち関係に影響しているといいます。
「ツイッターで知り合いの新しい一面が知れて、以前より親しい友だちになった」と話すのは隆介さん(2年)です。高校でツイッターを始め、趣味についてだけつぶやくためのアカウント「趣味アカ」を作りました。そこで好きなアイドルについてつぶやく中で、つながりの一人に中学の同級生がいたと知りました。同級生とは顔見知りでしたが、「いつも一緒に居る友だちではなかったし、自分と同じアイドルが好きだなんて全く知らなかった」と隆介さん。「趣味アカ」での交流で盛り上がり隆介さんは同級生と一緒にアイドルのライブに参加するなどして「今では休日によくつるむ親友の一人になった」といいます。
学校以外でも「気軽に大勢でおしゃべりできたり、友だちの近況が知れる」とラインやツイッターを始めた海斗さん(1年)は、「知らない人とはつながらない」と言います。海斗さんは「趣味アカ」などツイッターで複数のアカウントを持っていますがつながりは全て「顔見知りの友だちだけ」です。「犯罪に巻き込まれるかもしれないから(知らない人とつながるのは)怖い。顔を知っているからこそ安心していろんな話ができる」
楓さん(2年)はツイッターで「趣味アカ」を作ったことで「友だちが増えた」と話します。好きなファッション雑誌のモデルについてつぶやく中でそのモデルのファンとツイッター上で交流が始まりました。「趣味アカ」の友だちは学校も年齢も異なるといいますが、「知らない情報を教えてくれて趣味がもっと楽しくなった。同じ趣味を楽しむのに年齢とかは関係ない」と話します。

 

顔見知りは「面倒くさい」?
スマホでしてること ソーシャルメディアで気軽に友だち関係を広げる一方で、「クラスメートの関係は面倒くさい」「顔見知りとは険悪な雰囲気になったことがある」などの声もありました。
楓さんはクラスメートとの会話では「授業の内容や学校の行事について話すけど、趣味の話はほとんどしない」と言います。楓さんの学校は生徒数が多く一人ひとりのことをよく知る機会が少ないといいます。クラスメートの中には「笑って相槌を打つだけの『友だち』もいる。会話の内容選びで気疲れする」と楓さん。「(クラスメートは)1年間一緒にいる人だし、趣味の話をして相手に引かれたら、その後付き合いづらくなる」と言います。
咲さん(3年)は仲の良かったクラスメートと「ささいなこと」で口論となり、「その後、口をきかなくなった」と話します。仲直りをしたいと思いましたが「雰囲気が悪くなっているのを他の友だちに知られたくなかった」と同級生には相談できずにいました。咲さんはアルバイト先でできた違う学校の友だちが「いてくれて良かった」と言います。その友だちは咲さんの話を聞き、冷静になるようアドバイスをくれたといいます。「私の反省点が分かって、私から謝ったら仲直りできた。少しだけ大人になった気がする」
「面倒くさいこともあるけど、部活の友だちが一番仲がいい」と話すのは久美さん(2年)です。バスケ部に所属する久美さんは交流用にラインなどを利用していますが、「しょうもないこととか、素の自分を見せられるのはバスケ部の友だち」と言います。練習などで「けんかをしたこともある」と言う久美さん。「苦しいこととか一緒に乗り越えてきて、私の弱さとか全部知ってくれていると思うから信頼できる」と話します。「一緒に過ごす時間の長さが大事かな。ふざけたり、真剣になったり、相手のことを知るほど(関係が)深くなると思う」